●牛乳について |
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Tailsではそれぞれの家庭の子と、保護した赤ちゃんや子犬子猫から成犬成猫、老犬老猫まで牛乳を加熱せず生のまま与えています。 | ||||||
与える理由 体力を早く回復してもらうために、また健康を維持するために手作り食を与えており、牛乳が有効な食品のひとつだからです。 よく使う牛乳 ・成分無調整 低温殺菌牛乳(赤ちゃんに。 ご飯にまぜこむ。 おやつとして、犬には水で1/3~1/2うすめて。) ・成分無調整 酪農家限定牛乳(上記以外にはヨーグルトやホットケーキなど加工に使用) はじめて与える時 猫にはまず大さじ2程度の牛乳を与え便の様子を見ます。 そして増やしていきます。牛乳カップ1/4ほど飲めます。(もし便がゆるくなったらまず検便をし駆虫をします。2日ほどおいて便が固まったら小さじ2ほどを水でうすめ与えてゆくことをくり返すと飲めるようになります。 虫や悪玉菌が多いと 牛乳の影響で下痢になりますからよい目安としています。 犬の場合も同じようにします。飲む量を計ってあげないと飲み過ぎて下痢になりますからカップ1/3以下、もしくは水で倍くらいにうすめます。 温度 身体を暖かくしていれば冷蔵庫の温度の冷たい牛乳をおいしく飲みます。温めた牛乳は胃の中でさめる時に脂肪のまくができて胃壁にくっつき、消化不良のもとになりますので赤ちゃんや老犬猫にはさけています。 あたためても室温以上にはしないようにしています。 胃腸と排便 犬も猫も生肉を食べ、牛乳が飲める子は胃腸が丈夫で排泄がきれいだと感じています。 排泄がきれいな子は結果病気が少なく医療費がたすかります。 消化と代謝がスムーズであるため長生きでもあるようです。 善玉菌を応援 アレルギーではないのにお腹が敏感な子もいます。 牛乳とともに有効なものは「ビール酵母」「ビフィズス菌」「納豆菌」「酪農菌」などの腸内の善玉菌です(エビオス、ビオフェルミンなど)牛乳とプラスさせて善玉菌が優位な腸になるように努力しています。 乳糖不耐症とは 我々と同じく量を考慮すれば牛乳は消化できますが、牛乳が飲めない体質には2種類あります。 *1 牛乳アレルギー 正しくは牛乳タンパクアレルギーと言います。 牛乳は牛の母乳です。 牛乳は20種以上のタンパク質を含みます。 そのうち人の場合約4つ程がアレルゲンになりうると確認されています。 全ての動物の乳はその動物の成長スピードに合わせて成分が成り立っています。 子牛より人赤ちゃんの身体はおそく育つためタンパク質ミネラルは30%しか含みません (人の赤ちゃんには牛乳は濃すぎることになります。消化能力と免疫機能の未発達が原因で一過性のアレルギーを生じることがあります)犬猫赤ちゃんにはむしろ薄く、水分は尿として排出されます。 *2 乳糖不耐症 乳糖を消化する酵素ラクターゼの少ない状態をいいます。 おおよそどの動物の乳にも乳糖は含まれています。 牛乳を1として人乳1.5倍、犬猫乳0.75倍の乳糖が含まれています。 赤ちゃんには脳の発達に乳糖が大きく必要ですから、脳の大きな人間は他の動物よりも乳糖を必要としています。 離乳後に乳糖を分解するラクターゼが欠乏してゆきます。(人で3才~成人までの間)。 もともと乳糖は消化されにくく一部未消化のまま腸に届き、腸内で酵素消化を受け栄養源となりつつ、腸内をpHコントロールし善玉菌の優位な環境を整えくれて排泄となるようです。 *乳糖不耐症のテスト-人の例 欧米人50g牛乳5本分、 日本人30g牛乳3本分、 これを一気に飲み、下痢などの症状をみます。 牛乳1本では乳糖不耐症とは言いがたく、それよりも冷たさに対する過敏症であったり、本人の牛乳への好みが影響したりします。(欧米人はラクターゼ活性の少ないアジア、アフリカ人を乳糖不耐症と呼びます。) 我々も量を考慮すれば牛乳を飲むことができます。 ヨーグルトは乳糖が20~30%分解されていますから苦手な人も動物も食べることができます。 犬や猫もこの人テストの例のように離乳後は自立するように乳糖不耐症になるようになっています。 しかし世界の人間の80%が乳糖不耐症でありながら牛乳の利点を上手に食品に取り入れているのですからそれを利用しない手はありません。 飲むことのできない環境におかれた子はラクターゼ活性欠乏を起こし、生涯にわたり牛乳を全く飲めない体質になってしまいます。 ラクターゼ活性持続には生活に少しづつ乳糖を取り入れた食事が有効だと感じます。 × カルシウム吸収率
乳糖やタンパク質が吸収を補助しています。 牛乳をたくさん飲める子の排便はとても立派なものです。 牛乳は草食の子牛にとっての完全栄養食、少し分けていただいています。 注意 *牛乳の種類と生産地、生産者に十分注意します。 *成分調整されているものは避けています。(いわゆる加工乳や常温保存できるものなどはやめます) *「異種タンパク質は消化できない」という意見がありますが、通常母乳と共食い以外は全て異種タンパクの摂取となりますので根拠とはなりえません。 *うんちが長くなることがありますが下痢ではなくむしろ快便です。 *本当に体質に合わなくなった子には止めましょう。 また同タンパク質アレルギーにも注意しましょう。(私たちは体質に合わない子にはまだ出逢っていませんが、その可能性は十分考慮の上与えております) *「犬猫は乳糖を全く分解できない」の意見は獣医学の教科書に書かれているようですが根拠は全くありませんし、それを今だに信じている獣医さんが多いことはとても残念です。 |
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Tails 詠田 | ||||||
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